Progress Forward

2026年7月6日

GHG排出量の可視化により、脱炭素経営への一歩を踏み出す

株式会社ホットハウス

2025年9月、七十七銀行では、株式会社ホットハウスに対して「77脱炭素ナビゲーター」の導入による脱炭素化経営への支援を開始しました。
「77脱炭素ナビゲーター」とは、温室効果ガス排出量の可視化・削減に向けた脱炭素経営の活動をサポートするもの。具体的には、温室効果ガス(GHG)(注1)排出量を算定し、算定結果をフィードバックするとともに、ご要望に応じてSBT(注2)水準の削減目標案を提示して中小企業向けSBTの申請支援も行います。排出量の算定に使用したシートや算定ノウハウについてもお客さまへ共有し、排出量算定業務の内製化を目指します。

注1. Green House Gasの略称。温室効果ガスを指します。
注2. Science Based Targetsの略称。パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標。国際的な認証であり取得を通じて、脱炭素に取り組む企業であることをステークホルダーに対して分かり易くPRできます。

トップインタビュー

トップインタビュー

今回お話を伺った、株式会社ホットハウス 代表取締役 日下 敦 氏

当社は宮城県仙台市に本社を置き、不動産の売買・仲介・賃貸管理を中心に、中古住宅のリノベーション物件の売買仲介、自社買取など幅広い事業を展開しています。東北全域をカバーし、売買件数は年間約440件。地域に根ざし、お客さまの暮らしに寄り添ったサービス提供に努めています。近年は、ドラッグストアやコンビニエンスストアをはじめとする収益物件の建築・保有を含め、買取を行うすべての物件で、LED照明への切り替えを標準化し、事業活動を通じた脱炭素への対応についても検討を進めています。

脱炭素への取組みを検討された背景と、77脱炭素ナビゲーターを導入された経緯を教えてください。

そもそもは社用車の更新に当たり、EV(電気自動車)を導入しようとしたことがきっかけです。
私自身は3年以上前からEVに乗っています。環境配慮という面はもちろんですが、万が一の場合にも車から電力を繋いで、非常用電源として活用できるという「危機管理」の面でEVは非常に有効だと実感していました。
そこで、EV導入の補助金利用を検討することにしたのですが、申請要件として自社のCO2排出量の把握が求められました。しかし当社にはこれまで排出量を定量的に把握した経験がなく、単位や計算方法すら分からない状況でした。また、単なる目先の補助金対応にとどまらず、今後を見据えると、「脱炭素」は避けて通れない重要な経営課題であるという強い認識もありました。そんな時に、七十七銀行さんから「77脱炭素ナビゲーター」のご提案をいただき、タイミングも良かったため導入に至りました。

排出量の可視化グラフ

図は可視化された排出量の構成比グラフ

どのような点に魅力を感じられましたか?

排出量の算定そのものだけでなく、その後の削減方針や将来を見据えた目標設定まで、一貫して支援を受けられる点に魅力を感じました。
社会的要請は強まっているものの、実際には知識やノウハウがなく「何から始めればいいか分からない」というのが、我々のような中小企業のリアルな実情です。社内リソースも限られている中で、七十七銀行さんから具体的な削減目標の考え方(SBT水準など)について示唆をいただき、伴走してもらえる安心感が決め手となりました。これなら「大義名分」のままで終わらせず、実効性のある経営課題として前に進められると考えたのです。

導入後、どのような変化がありましたか。

自社のCO2排出量を定量的に把握できたことで、どこに削減余地があるのかが、目で見える基準として明確になりました。
ちょうど時期を同じくして、本社の空調設備が導入から15〜16年を迎え、更新時期に差し掛かっていたのです。この脱炭素の枠組みに連動させたことで、空調設備更新で約3割の補助金が活用できることが分かり、投資の方向性をスムーズに整理・実行できるようになりました。
さらに、この算定と方針整理を事前に進めていたおかげで、仙台市が「脱炭素先行地域」として進めている温室効果ガス削減アクションプログラムへの参画にも、極めてスムーズに対応することができました。結果として、単なる自社の補助金活用にとどまらず、地域の脱炭素施策とも連動した大きな取組みへと発展しています。

今回の支援内容について

今回の支援内容について

今後の展望についてお聞かせください。

今後は、本社ビルの脱炭素化を中心に据えて進めていく考えです。2007年に移転した本社ビルの空調設備を最新型へ更新することで大幅に効率を上げ 、排出量を着実に下げていきたいです。また同時に、電力プランの見直しも行い、非化石証書を活用して使用電力の半分を再生可能エネルギー由来のクリーンな電力へと切り替えを完了しました。
EVについては、今秋に社用車として3台を導入する予定です。ただ、バッテリーが重く、本社の立体駐車場には入らないという物理的な課題があるため、まずは外の平置きスペースに配置し、専用駐車場を持つ各支店へ優先的に導入・配備していく計画です。
太陽光発電についても、当社はすでに十数箇所の太陽光パネルを保有しており、この本社の屋上にも設置しています。将来的には、売却する物件にお客様の太陽光パネルを載せるよりも、自社で保有するビルや建物で「自家消費」する形が有効だと考えています。
これからはエネルギーを「買う」のではなく、素材が進化した太陽光パネルなどを活用して、既存の建物の壁面や屋根で「つくる」時代になります。本業である不動産業と脱炭素の取組みをしっかり接続させ、社内外への発信を通じて、従業員の意識醸成と企業価値の向上につなげていきます。

今後七十七銀行に期待していることはありますか?

可視化や目標設定というスタート地点の次として、実際の削減施策の実行に向けた、より具体的かつ専門的な提案や伴走をお願いしたいです。特に、既存ビルの壁面への太陽光パネル設置や再エネ導入など、投資判断に関わる領域において、補助金や金融面を含めた総合的なサポートを引き続き期待しています。
さらには、同様の課題を持つ地域企業との情報共有や、連携の機会を創出していただくなど、地域全体の脱炭素化を牽引するパートナーとしての役割も大きくなっていくのではないでしょうか。

日下社長と七十七銀行 営業渉外課 岡崎リーダー(左)、名掛丁支店兼仙台駅前支店 小島リーダー(右)

日下社長と七十七銀行 営業渉外課 岡崎リーダー(左)、名掛丁支店兼仙台駅前支店 小島リーダー(右)

株式会社ホットハウス

創業:1992年9月
所在地:仙台市青葉区本町一丁目5番31号 シエロ仙台ビル 8F
TEL:022-215-7787、022-217-2512
URL:https://www.hot-house.co.jp/