Progress Forward

2024年12月31日

「伝えるを超える。」企業の成長と社会課題解決への挑戦

株式会社ICHICO

2024年6月、七十七銀行では、初となる「77ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」を、株式会社ICHICOに対して実行しました。
PIF とはSDGsの達成に向け「社会」「環境」「経済」の三側面に与えるインパクトを、ポジティブ(プラスの貢献)の向上と、 ネガティブ(マイナスの影響)の緩和・低減の両面で特定する融資。国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP FI)(注1)が策定したポジティブ・インパクト金融原則(注2)に基づいて行われます。
実行後には、特定したインパクトに関わる目標の設定に基づいたKPI(重要業績評価指標)の取組状況を銀行がモニタリングし、伴走支援を続けていきます。

注1. 「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」の実行機関として設立された国連環境計画(UNEP)と世界各地の金融機関とのパートナーシップ。
注2. UNEP FIがポジティブ・インパクト投融資を特定し、SDGsに関連した資金調達を 促進するために発表したフレームワーク。

トップインタビュー

トップインタビュー

今回お話を伺った、株式会社ICHICO 代表取締役 尾形 雄一郎氏。

株式会社ICHICOは、1994年に仙台市で創業、宮城・東北を中心に、自治体、企業の発展とともに歩んできた総合広告会社です。創業30周年を機に、第一広告社から現社名に変更。これまで培ってきた歴史を活かしつつ、「伝えるを、超える。」をスローガンとして掲げ、広告の枠を超えてマーケティング分野へ踏み込んだコミュニケーション戦略を通して、地域への貢献を目指しています。

PIFを導入したきっかけをお教えください。

社名変更に込めた「広告というソリューションの枠を超えて、地域や企業に貢献していく」という想いを形にしたいと思っていたときに、当社として絶好のタイミングで七十七銀行さんからのご提案を受けることができたと感じています。また、今後のICHICOが目指す事業展開に対して、しっかりとご理解いただけたことが大きいと思います。

PIFの特長をどうとらえていますか?

PIFでは、SDGs目標と照らし合わせてKPIを設定することになるため、当社の明確なビジョンやアクションプランを具体化することにもつながりました。
SDGsへの貢献度は、企業の社会的使命を明らかにするものですが、実際のところ広告業界はなかなか紐づけが難しいものですので、七十七銀行さんは当社の事業活動を、「企業の成長への力添え」や「地域発展への貢献」との観点からSDGsの貢献と結び付けてくれたので、会社としてもSDGsへの貢献を再認識するとても良い機会となりました。

特定したインパクトへ対応するために設定した目標および関連するSDGs

図は特定したインパクトへ対応するために設定した目標および関連するSDGs

PIFで設定した目標の一つとして「地元企業および自治体の成長支援としてのマーケティング支援件数の増加」があります。社名変更のきっかけにもなったマーケティングについて、具体的にどのようなものか教えていただけますか。

30年間、弊社の主なスキルは、いわゆる“広告ビジネス”でした。企業や自治体から広告を出したいという依頼を受けて、それをいい形でターゲットに届けるためのメディア戦略やクリエイティブを考えることを主な仕事としていました。

一方で、根本的にクライアントがいないと成り立つことのないビジネスであり、クライアントさんの事業成功が大前提となります。
これまでは、広告を発注いただいた時点で、商品や事業がある程度決まっていることが多いのですが、商品や事業を考えるところから関わることで、事業成功に貢献することができるのではないかと考えたのです。そのために必要なのが「マーケティング」でした。
広告もマーケティングの一部ですが、もっと上流の部分の事業戦略や商品設定を練るところから、世の中にマッチする形で、クライアントがやりたいことを結び付け、良いものを共につくることが、我々が新規に参入する「マーケティング」です。
そのマーケティング分野に踏み出すことが、社名変更へ込めた一番の思いでもあります。社名変更は、対外的にも、社員にも、そのマインドを伝えていくためのものでした。

企業向けマーケティング勉強会の様子

2024年3月には企業向けマーケティング勉強会を開催。約30社50名が参加。

目標には、CROSS B PLUSの活用も挙げられていますね。

CROSS B PLUSが建つ芭蕉の辻は、伊達政宗公の時代、幕府が出した禁令などを掲げる高札場(こうさつば)があった情報拠点といえる場所でした。CROSS B PLUSは、レストランとイベントスペースを兼ねそろえた、現代の情報拠点です。
これまで、LEDビジョンに映し出される映像や料理を通じて、仙台市、宮城県の観光PRをはじめ、アニメイベントなどを発信。宮城・東北を知っていただくための拠点としてはもちろん、全国から人が集まる場所となり、地域の賑わいづくりにも貢献できていると感じています。
今後もこの場所を拠点に、地元企業や自治体の成長を支援していきたいと考えています。

これからPIFを利用する企業様へのメッセージをお願いします。

他企業さんでも、企業が取り組むべき方向をPIFの目標として設定することで、改めて企業価値や社会への存在意義を見つめ直すことができると思います。
また1年に一度、目標達成ができているかを検証してくれるところもPIFのメリットの一つ。目標を見直す機会が与えられることで、事業の方向性を確認することができるのではないでしょうか。

今後七十七銀行に期待していることはありますか?

七十七銀行さんは、金融機関という枠を超えて、地域の発展、地域企業の成長、社会課題の解決のためにいろいろと取り組んでいらっしゃいます。例えば、企業マッチングは後継者問題や企業課題を解決してくれますし、結婚サービスは少子化対策の一つです。
それらの成果によって、地域が盛り上がり、さらに地元企業にもその影響は出てくるはずです。それは、七十七銀行さんしかできないこと。今後も我々のよき相談相手として、ご支援をお願いしたいと思っています。

尾形社長と七十七銀行 営業渉外課 小野寺リーダー(CROSS B PLUSにて)

尾形社長と七十七銀行 営業渉外課 小野寺リーダー(CROSS B PLUSにて)

株式会社ICHICO(2024年3月1日に第一広告社より社名変更)

創業:1994年3月
所在地:仙台市青葉区一番町3-7-1 電力ビル7F
TEL:022-214-3781
URL:https://www.ichico.co.jp/about/information/