資産運用NISA成長投資枠の使い方は?投資信託の積立やつみたて投資枠との併用方法を解説

NISAの成長投資枠では、投資信託の積立やスポット購入、まとまった資金による一括投資が可能です。つみたて投資枠と併用する方法もあり、購入したい商品や投資額に合わせて使い分けられます。

一方、「成長投資枠だけで積み立ててもよいのか」「両方の枠で同じ投資信託を買えるのか」と迷う人もいるでしょう。

この記事では、成長投資枠の具体的な使い方を解説します。投資信託のタイプや商品選びの判断軸も確認し、自分に合う活用方法を考えましょう。

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金子賢司

【監修】
金子賢司

CFP資格所有(FP1級と同等)
東証一部上場企業(現在は東証スタンダード市場)で10年間サラリーマンを務める中、金融に興味を持ち、資産運用やローンなどの勉強を始める。
その後、生命保険会社、損害保険会社での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。現在は、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。

NISAの成長投資枠とは

項目 成長投資枠の概要
年間投資枠 240万円
非課税保有期間 無期限
非課税保有限度額 1,200万円
NISA全体の非課税保有限度額 1,800万円
主な対象商品 上場株式、投資信託、ETF、REITなど
購入方法 積立、一括投資(スポット購入)
つみたて投資枠との併用 可能

成長投資枠とは、NISAを構成する投資枠の一つです。年間240万円まで商品を購入でき、対象商品から得た売却益や配当金、分配金には原則として税金がかかりません。

つみたて投資枠との併用も可能です。両方を利用する場合、年間で合計360万円まで購入できます。成長投資枠の非課税保有限度額は1,200万円です。つみたて投資枠と合わせたNISA全体では、1,800万円まで保有できます。

なお、年間投資枠の未使用分は翌年へ繰り越せません。保有商品を売却した場合は、取得金額に相当する非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。

成長投資枠の対象商品や旧NISAとの違いは、以下の記事で詳しく解説しています。

新NISAの成長投資枠とは?つみたて投資枠との違いや対象商品を解説

 

成長投資枠とつみたて投資枠はどう使い分ける?

成長投資枠とつみたて投資枠では、対象商品や購入方法が異なります。どちらか一方を必ず先に利用する決まりはありません。

購入したい商品や年間投資額、買い方を基準に、自分に合う投資枠を選びましょう。

比較項目 成長投資枠 つみたて投資枠
年間投資枠 240万円 120万円
主な対象商品 上場株式、投資信託、ETF、REITなど 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託
購入方法 積立、一括投資(スポット購入) 積立
主な活用例 幅広い商品やまとまった資金の運用 定期的な積立による資産形成
併用 可能 可能

購入したい商品から投資枠を選ぶ

購入したい商品が決まっている場合は、どちらの投資枠の対象になるか確認します。

つみたて投資枠では、金融庁の基準を満たした一定の投資信託を購入できます。成長投資枠では、つみたて投資枠の対象外となる投資信託や上場株式、ETFなども選択可能です。

長期的な積立を目的としていても、購入したい商品が成長投資枠だけの対象となる場合があります。運用期間だけで判断せず、商品ごとの対象区分を確認しましょう。

なお、銀行では上場株式やETFを直接購入できません。七十七銀行のNISAで購入できる商品は、同行が取り扱う公募株式投資信託です。

年間投資額と購入方法から選ぶ

定期的な積立を中心とする場合は、つみたて投資枠を利用できます。ただし、つみたて投資枠の年間投資枠は120万円です。

年間120万円を超えて投資信託を積み立てたい場合は、成長投資枠との併用が選択肢になります。

また、ボーナスなどの余裕資金を任意の時期に投資したい人は、成長投資枠を活用できます。月ごとの上限はないため、年間投資枠の範囲内でスポット購入や一括購入が可能です。

制度上の上限まで投資する必要はありません。家計から無理なく支出できる金額を基準にしましょう。

両方の投資枠を併用できる

成長投資枠とつみたて投資枠は、同じ年に併用できます。ただし、両方の枠は同じ金融機関で利用する必要があります。金融機関を分けて利用することはできません。

例えば、つみたて投資枠で投資信託を定期購入し、成長投資枠で別の投資信託を積み立てる方法があります。

両方の対象となる投資信託を、各枠で購入する使い方も可能です。積立による資産形成を続けながら、成長投資枠でスポット購入を追加する方法も検討できます。

成長投資枠のメリット・注意点

成長投資枠では、積立購入に加えて、任意の時期に商品を購入できます。一方、選択肢が多いため、商品選びや投資先の偏りには注意が必要です。

成長投資枠ならではの特徴を理解して活用しましょう。

積立にスポット購入を組み合わせられる

市場環境や個人の資金状況に応じて、購入する金額や時期を選べる点は成長投資枠のメリットです。一定額を定期的に購入する積立投資と、一度にまとめて買う一括投資を使い分けられます。

普段は毎月の収入から積立を続け、ボーナスなどの余裕資金が生じた際に追加購入する方法も可能です。価格が下がった局面で、スポット購入を検討する使い方もあります。

成長投資枠の年間投資枠は240万円です。月ごとの上限はないため、金融機関や商品の購入条件を満たせば、年初に240万円を一括投資することもできます。

ただし、購入後に価格が下がる可能性もあります。生活費や緊急時の資金を確保し、余裕資金の範囲で活用しましょう。

注意点:商品の選択肢が多く判断が難しい

成長投資枠では、自分で商品や投資先を選ぶ必要があります。選択肢が多いため、初心者は判断に迷う場合もあるでしょう。

直近の値上がり率や知名度だけで決めると、想定以上のリスクを取る可能性があります。特定の銘柄や業種へ資金を集中させた場合、企業業績や市場環境の変化が資産全体に大きく影響します。

商品内容を理解したうえで、過度な集中投資を避けることが大切です。

成長投資枠の具体的な活用方法

成長投資枠には、単独で投資信託を積み立てる方法や、つみたて投資枠と併用する方法、まとまった資金を一括投資する方法があります。

どの方法が適しているかは、購入したい商品や年間投資額によって異なります。代表的な活用例を確認しましょう。

成長投資枠だけで投資信託を積み立てる

つみたて投資枠を使わず、成長投資枠だけで投資信託を積み立てることが可能です。両方の枠を必ず利用する必要はありません。

例えば、購入したい投資信託がつみたて投資枠の対象外で、成長投資枠では購入できる場合に活用できます。

長期的な積立でも、購入したい商品が成長投資枠だけの対象となる場合があります。商品ごとの対象区分と、金融機関の取扱状況を確認しましょう。

積立金額や購入頻度は、利用する金融機関や商品によって異なります。

両方の枠で同じ投資信託を積み立てる

投資信託のなかには、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で購入できる商品があります。

例えば、つみたて投資枠の年間上限まで積み立てた後、同じ商品を成長投資枠で追加購入する方法です。投資方針を変えずに、年間の積立金額を増やせます。

ただし、制度上は両方の対象でも、金融機関が各枠で取り扱っていなければ購入できません。利用する金融機関の商品一覧や積立条件を確認してください。

投資可能な上限ではなく、継続して支出できる金額を基準に設定しましょう。

両方の枠で異なる投資信託を購入する

つみたて投資枠と成長投資枠で、異なる投資信託を購入する方法もあります。

例えば、つみたて投資枠では複数の国や地域へ分散する商品を積み立てます。成長投資枠では、米国株式に投資する商品や、特定の指数への連動を目指す投資信託を選ぶ方法です。

異なる商品を購入する場合は、商品名だけでなく、実際の投資先も確認しましょう。複数の商品を持っていても、組み入れている企業や地域が重なっている場合があります。

保有資産全体の構成を確認し、意図しない偏りを避けることが重要です。

つみたて投資枠で投資信託、成長投資枠で株式やETFを買う

つみたて投資枠で投資信託を積み立て、成長投資枠で個別株やETFを購入する方法もあります。長期的な資産形成を続けながら、自分で選んだ企業や業種へ投資できる組み合わせです。

ただし、特定の銘柄へ資金を集中させると、その企業の業績や市場環境の変化に資産全体が左右されやすくなります。投資先の業種や地域に偏りがないか確認しましょう。

先述したとおり銀行では、上場株式やETFを直接購入できません。個別株などを購入したい場合は、金融機関の取扱商品を事前に調べる必要があります。

まとまった余裕資金を一括投資する

預貯金とは別にまとまった余裕資金がある場合は、成長投資枠で一括投資する方法があります。当面使う予定のない資金を運用したい場合に検討できます。

ただし、一度に購入すると投資時期が偏ります。購入直後に価格が下がった場合、短期間で大きな含み損(評価額が購入額を下回っている状態)を抱える可能性もあるでしょう。

一括で購入するか迷う場合は、資金の一部を残す方法があります。購入時期を複数回に分けることも選択肢です。

資金を使う時期と許容できる損失を確認してから判断しましょう。

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成長投資枠で選択肢となる投資信託のタイプ

成長投資枠では、投資する地域や資産、運用方針が異なる投資信託を選べます。同じ指数への連動を目指す商品でも、運用方法や手数料は異なります。

代表的な投資信託のタイプと特徴を確認しましょう。

投資信託のタイプ 主な特徴
全世界株式型 国内外の株式へ幅広く投資する
米国株式型 米国の主要企業へ投資する
NASDAQ100連動型 米国ナスダック市場に上場する、金融を除く大手企業へ投資する
先進国株式型 主に日本を除く先進国へ分散投資する
新興国株式型 新興国の株式へ投資する
日本株式型 国内の上場企業へ投資する
バランス型 株式や債券、REITなどへ分散投資する
債券型 国内外の債券を中心に投資する
REIT型 国内外の不動産投資信託へ投資する

全世界株式型は、複数の国や地域へ投資したい人の選択肢です。米国株式型やNASDAQ100連動型は、米国企業を中心に運用したい場合に検討できます。

日本株式型や新興国株式型など、特定の地域へ投資するタイプもあります。株式だけでなく複数の資産へ投資したい場合は、バランス型も候補になるでしょう。

同じタイプでも、投資先や運用方針、費用は商品ごとに異なります。詳しい内容は交付目論見書で確認しましょう。

成長投資枠で投資信託を選ぶポイント

成長投資枠の商品を選ぶ際は、直近の値上がり率や知名度だけで判断しないことが大切です。

投資目的や資金を使う時期、受け入れられるリスクを整理し、商品内容と費用を比較しましょう。

投資目的と資金を使う時期を決める

商品を選ぶ前に、何のために投資するのかを明確にします。老後資金や教育資金など、目的によって必要な金額と運用できる期間は異なります。

資金を使う時期が近い場合、価格が下がっても回復を待てない可能性があります。資金を使う時期まで十分な期間があれば、短期的な値動きだけで売却せず、運用を続けやすくなるでしょう。

目標金額と資金が必要になる時期を整理し、運用期間に合う商品を選ぶことが重要です。

リスク許容度に合う投資額を考える

リスク許容度とは、価格が下がった場合に、どの程度の損失まで受け入れられるかを示す考え方です。収入や保有資産、年齢、投資経験、資金を使う時期などによって異なります。

同じ商品でも、投資額が大きいほど値下がりした際の損失額は増えます。価格の変動が気になり、慌てて売却する可能性がある場合は、投資額が自分に合っていないことも考えられます。

商品の値動きだけでなく、家計への影響と保有を続けられるかを確認しましょう。許容できる範囲で購入金額を設定することが大切です。

投資対象と手数料を確認する

投資信託を選ぶ際は、どの地域や資産へ投資する商品なのかを確認します。国内株式と外国株式では、価格に影響する要因や為替変動の有無が異なります。

債券やREITを組み入れた商品もあり、資産の構成によってリスクは変わります。商品名だけで判断せず、交付目論見書などで投資対象や運用方針を確認しましょう。

投資信託では、保有中に信託報酬などの費用がかかります。購入時や換金時に発生する手数料も含め、長期間保有した場合の負担を比較することが大切です。

成長投資枠に関するよくある質問

成長投資枠を利用する際は、つみたて投資枠との併用方法や、課税口座との違いに迷う人もいるでしょう。

利用前に確認したい疑問へ回答します。

つみたて投資枠を使わず成長投資枠だけを使ってもよい?

成長投資枠だけを利用しても問題なく、つみたて投資枠を利用する義務や、先に使わなければならない決まりもありません。ただし、成長投資枠の非課税保有限度額は1,200万円のため、NISA全体の1,800万円を使い切ることはできない点に注意しましょう。

購入したい投資信託が成長投資枠だけの対象となる場合や、まとまった余裕資金を投資する場合に活用できます。

どちらの枠を使うかは、購入したい商品や年間投資額、買い方から判断しましょう。

成長投資枠とつみたて投資枠はどちらを先に使うべき?

どちらを先に使うべきかについて、一律の正解はありません。購入したい商品が対象となる枠や、年間投資額に応じて選びます。

つみたて投資枠の対象商品を定期購入する方法もあれば、成長投資枠だけで投資信託を積み立てる方法もあります。

両方の枠を同じ年に利用することも可能です。順番よりも、投資目的や商品に合う枠を選ぶことが重要です。

成長投資枠と特定口座は何が違う?

成長投資枠では、対象商品から得た売却益や配当金などが非課税になります。ただし、年間投資枠や非課税保有限度額があり、購入できない商品もあります。

一方、特定口座で得た利益には、原則として20.315%の税金がかかります。また、NISAのような年間投資枠はないため、上限なく投資が可能です。

NISAの投資枠を超える場合や、対象外の商品を購入する場合は、特定口座を併用できます。

成長投資枠を活用して自分に合う投資方法を選ぼう

成長投資枠では、投資信託の積立に加え、スポット購入や一括投資が可能です。つみたて投資枠との併用にも対応しており、商品や投資額に合わせて使い分けられます。

成長投資枠だけで投資信託を積み立てても問題ありません。両方の対象となる商品を各枠で購入したり、異なる投資信託を組み合わせたりする方法もあります。

ただし、選択肢が多いほど、投資先や購入金額を自分で判断する必要があります。投資目的と資金を使う時期、リスク許容度を整理したうえで、投資対象や費用を比較しましょう。

金融機関によって取扱商品や購入条件は異なります。利用したい商品やサービスを確認し、無理なく続けられる環境を選ぶことが大切です。

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※この記事は2026年7月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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