資産運用資産運用の相談はどこにすべき?金融機関、FP、IFAの違いを解説

資産運用には、金融商品や投資に関する基礎知識が欠かせません。知識のある専門家に相談することはおすすめですが、銀行や証券会社など複数の相談先があるため、どこに相談すればいいかわからないと悩んでしまう人も少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では、資産運用の相談先の種類や特徴をわかりやすく解説します。ひと口に「専門家」と言っても、取扱いのある金融商品や専門分野はそれぞれ異なります。各相談先の特性を理解したうえで、ご自身に適した相談相手を選びましょう。

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵(M・Mプランニング 代表)

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵
M・Mプランニング 代表

保育士、営業事務の仕事を経て、ファイナンシャルプランナーに。
独身、子育て世代から定年後の方までお金に関する相談を受けて、16年目になります。
主婦FPとして、等身大の目線でのアドバイスが好評です。
家計・保険・老後、教育資金などの個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っているほか、お金の専門家として、テレビ取材なども受けています。
人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

資産運用を始める前に知識を持った専門家に相談しよう

資産運用には、投資のリスクや種々の金融商品の特徴、関連する税制といった、基礎知識の理解が欠かせません。

とはいえ、初心者が独学だけで正しい知識を身につけるのは難しいものです。

  • 「何から勉強すればいいのかわからない」
  • 「自分なりに勉強しているが、自分の理解が正しいかどうか不安がある」
  • 「プロの意見や考え方を聞きたい」

このような悩みや疑問を持っていたりはしませんか。

自分で学ぶ姿勢は大切ですが、客観的な意見・助言を聞いたり、自分の理解度を再確認したりすることも大切です。適切な運用方針を決めるためにも、専門家の知見は積極的に活用しましょう。

資産運用の相談先の種類

資産運用の相談ができる場所や人はさまざまありますが、相談先によって取扱商品や専門分野は異なります。

ここでは、一般的な相談先の分類と相談内容、取扱商品や強みを解説します。相談時の参考にしてみてください。

※実際の相談内容や取扱商品の詳細は相談先によって異なります。相談する際は、相談先に直接確認をお願いします。

銀行

銀行は、身近な金融機関の一つです。金融機関としての主な機能は、お金を「安全に保管、管理する」「貯める」「貸し出す」などさまざまな役割、機能を持ちます。預金や貸付(融資)業務のほか、振込や送金、手形の発行を行う為替業務や、個人・法人の資産運用、経営・事業支援も行っています。

【相談できる内容】

預金・投資・各種ローンなど、資産運用全般

【取扱商品】

債券・投資信託・保険・預貯金・ローン・ファンドラップなど

※証券会社への取り次ぎを行う形で株式などの金融商品を取り扱う銀行もあります。

【特徴・強み】

銀行の特徴は、住宅ローンを含む貸付(融資)業務を行っていることです。個人の住宅ローン・マイカーローン相談から法人の資金調達・経営相談まで、「お金を借りること」を含めて資産全般の相談ができます。取扱商品も多く、対面型の銀行であれば身近な店舗で相談することも可能です。「住宅ローンも含めて資産運用全般の相談もしたい」「なじみのある場所で気軽に相談したい」という人に適しています。

証券会社

証券会社は、お金を必要とする企業や、投資家の資産運用ニーズをつなぐ「仲介役」としての役割があります株式や投資信託といった有価証券の、売買の取り次ぎや引き受けなどを行っています。

【相談できる内容】

投資をメインとした資産運用全般

【取扱商品】

株式・債券・投資信託・ファンドラップ・FX・先物・オプション取引・金(ゴールド)など

【特徴・強み】

金融商品や金融サービスの取扱数が豊富な点が強みです。株式投資・投資信託といった一般的な投資商品から、先物・オプション取引、FXといったリスクの高い投資商品まで幅広く取り扱っています。商品の幅だけではなく、銘柄数も豊富にあるため「多彩な投資を積極的に行いたい人」に適しています。

保険会社

日本は保険大国と言われるほど保険の世帯加入率が高く、保険は身近な金融商品の一つです。保険会社の役割は「相互扶助」の理念のもとに「生涯にわたり、お客様に安心を届ける」という社会的使命であり、保険商品の販売が主な業務です。実は保険会社でも、保険を含む資産運用の相談ができます。

【相談できる内容】

保険の相談を中心に資産運用全般

※取扱商品は保険のみですが、保険以外のライフプラン・家計相談などもできるケースがあります。

【取扱商品】

保険(生命保険・医療保険・学資保険など)

【特徴・強み】

保険は本来リスク対策の商品です。家計の収入減少や家族の万が一といったさまざまなリスクに備えて、資産運用もできる商品を提案できる点が保険会社の強みです。保険料の支払いは所得控除の対象になるため、保険は節税対策にも活用できます。「リスク対策をして資産をしっかり守りたい」人や「節税に興味がある」人に適しているでしょう。

FP(ファイナンシャル・プランナー)

FP=「ファイナンシャル・プランナー」とは、顧客が目指すライフプランを実現するため、資金面でアドバイスを行うお金の専門家です。ライフプランから家計、資産運用まで、FPがサポートする内容は多岐にわたります。中には、銀行や保険会社など金融機関に所属するFPもいます。

【相談できる内容】

ライフプランを軸にした資産運用全般

※所属団体や個人によって話せる内容は異なります。

【取扱商品】

所属団体や個人によって取扱商品は異なります。FP資格だけでは金融商品の取扱いができないため、事前に確認しておきましょう。

【特徴・強み】

FPの基本業務は「ライフプラン実現のサポート」のため、ライフプランの設計からお金に関する悩み全般を相談できるのが強みです。金融商品の取扱いがなく相談業務のみを行っているFPの場合は、客観的な意見を聞きやすいでしょう。「資産運用とあわせてライフプラン相談したい」「相談に特化した専門家と話したい」人に適しています。

IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)

IFA=「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」は、資産運用に特化して金融商品の案内・販売を行う専門家です。FPとの違いは、金融商品を扱える点です。

【相談できる内容】

投資を含む資産運用全般

【取扱商品】

株式や投資信託、不動産など

【特徴・強み】

金融機関特有の異動がなく、ずっと同じ担当者についてもらえる点が大きな強みです。資産運用に特化したサポートを受けられるため「投資や資産運用の話だけ聞きたい」「同じ人に長くサポートしてほしい」という人に適しています。

資産運用の相談時に大切なポイントは5つ

資産運用の目的と予算を明確にしておく

資産運用を始める上で、目的や予算、リスクに対する考え方や価値観などを整理しておきましょう。

特に重要なのは目的と予算です。たとえば、「老後資金にしたい。予算は300万円」「教育資金にしたい。予算は100万円」というように資産運用の目的や予算は人によってさまざまです。

目的と予算によって運用方法が変わってくるため、あらかじめ明確にしておくとよいでしょう。

相談時の料金体系を確認する

金融機関では一般的に無料で相談できます。一方、個人で活動するFPやIFAの場合、相談が有料の可能性があります。

料金体系については「初回相談は無料で2回目以降は相談料がかかる」場合もあれば、「相談は無料で金融商品案内時に一定の手数料が発生する」ケースもあります。無用なトラブルを避けるためにも、相談前に細かい料金体系を確認しておくと安心です。

取扱商品と相談できる内容を確認しておく

取扱商品や相談できる内容の詳細は、あらかじめ確認しておきましょう。上述した相談先ごとの取扱商品や相談内容は、あくまで一般的な傾向です。
同じ銀行でも、対面型の銀行とネット銀行では取扱商品は異なり、同じ「FP」でも、所属団体や個人によって得意分野、専門分野が違います。

相談する前に「どのような商品を取り扱っているのか」「どのような相談ができるのか」「得意分野・専門分野は何か」を確認しておくと、スムーズに相談できるでしょう。

複数の相談先に相談する

ひと口に専門家といっても、資産運用に対する考え方や価値観、おすすめする金融商品は人によって違います。

1人の話だけをうのみにしてしまうと、知識に偏りが出たり、リスクを取り過ぎてしまったりする可能性があります。

資産運用の相談をする際は、できる限り複数の相談先に相談し、多様な考え方に触れてみてください。多様な考えに触れることで、自身の価値観や運用方針がより明確になります。

肩書だけで判断しない

相談相手は人間ですので、所有資格や所属団体といった肩書だけで相談能力を判断することはできません。

資産運用の相談を満足するものとするためにも、個人としての資産設計能力や知識の深さ、話のわかりやすさなどを確認しておくといいでしょう。

また、大切なお金の話をするうえで重要な、職業倫理に対する意識の確認も必要です。一方的な押しつけはないか、守秘義務を徹底しているかなど、肩書以外の人間性も見ておくと、長期にわたり信頼できる相談先を見つけやすくなるでしょう。

まとめ

資産運用の方法や運用商品の種類はさまざまで、広範囲の知識が求められます。とはいえ、独学には限界があります。お金のことはお金の専門家である金融機関やFP・IFAに相談し、疑問や不安を解消しましょう。

専門家に相談して得た知識は、これから資産運用を始める際の強固な基盤になります。所属団体や保有資格によって取扱商品や対応相談内容は異なるため、お伝えしたポイントを元に、複数の専門家に相談してみてください。

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※この記事は2022年9月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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