教育金融教育が高校で必修化!改めて必要性が見直されるお金の知識

日本の金融教育の現状

2022年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、18歳になれば、クレジットカードをつくったり、ローンを組む場合に、親の同意が必要なくなりました。と同時に、20歳未満を対象としていた「未成年者取消権」が行使されなくなるため、安易な契約からトラブルに巻き込まれる可能性も高くなることが懸念されています。
そこで再び注目されているのが、子供たちへの「金融教育」です。未成年のうちから、お金や契約、経済に関する知識を身に付けていくことへの重要性が改めて見直されています。

これまでも、小学校、中学校、高校における金融教育に取り組んできた歴史はあります。その一方で、「金融教育を受けた経験がない」という人がほとんどでしょう。
その現状を表す資料として、金融広報中央委員会「金融リテラシー調査 2019年」を見てみると、金融教育を実際に受けたとの認識があるとの回答は、日本で7.2%、日本で金融教育を受けた経験のある人は100人中7人ということです。それに対し、米国では21%。金融教育の浸透はこれからと言えます。

出典:金融広報中央委員会 知るぽると

https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/

高校で「金融教育」が必修化!内容は?

このように高いとは言えない日本の金融教育水準ですが、2022年度から「学習指導要領」が改訂され、高校で「金融教育」が必修化されました。学習指導要領の改訂は未来を担う子どもたちに新しい時代をたくましく生きていくための資質と能力を授けるために行われるものです。これからの時代を生きていく子供たちに、「金融の知識」が必要不可欠だと国が判断したといえます。
新しい「高等学校学習指導要領」を見てみると次のように書かれています。

家計の構造や生活における経済と社会との関わり、家計管理について理解すること

家計管理については収支バランスの重要性とともに、リスク管理も踏まえた家計管理の基本について理解できるようにする。その際、生涯を見通した経済計画を立てるには、教育資金、住宅取得、老後の備えの他にも、事故や病気、失業などリスクへの対応が必要であることを取り上げ、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット・デメリット)、資産形成の視点にも触れるようにする。

生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について、ライフステージや社会保障制度などと関連付けて考察すること

各ライフステージの特徴と課題、家族構成や収入・支出の変化、生涯の賃金や働き方、社会保障制度などと関連付けながら考えることができるようにする。また、将来を見通して、事故や病気、失業、災害などの不可避的なリスクや、年金生活へのリスクに備えた経済的準備としての資金計画を具体的な事例を通して考察できるようにする。

出典:文部科学省ホームページ

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1407074.htm

注目すべきなのは、「資産形成」という新たな視点。
これまで高校の家庭科の授業では、家計簿による家計管理など、消費者の視線に立った教育がされてきましたが、新しい学習指導要領では、将来に備えた資産運用をしていくための内容が盛り込まれています。
これまでの家計管理等「守り」の分野に加え、お金を増やす、お金に働いてもらうという「攻め」の分野が加わったことが大きな違いです。

年代別に身につけたいお金の知識

日本銀行内に事務局を置き、金融教育の情報発信や支援活動を行う金融広報中央委員会が作成する「金融リテラシーマップ」では年代別に身につけておくべきポイントをまとめています。抜粋してご紹介します。

※クリックすると別タブで画像が開きます

出典:金融広報中央委員会 知るぽると

https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy/

上記の表を見て、意外と最低ラインのハードルが高いな・・・と思った方も多いのでは?
例えば、上記の表の「大学生」の項目を見てみるとクレジットカードについての記載がありますが、これは社会人でも理解できている人は少ないかもしれません。
クレジットカードは借金と同じであること、また手数料は利息であることを理解しておく必要があります。
さらに、利息を計算する際に「アドオン利率(金利)」を用いると、実際の金利より低く見えてしまうため、「実質年利」をしっかり確認することが重要です。

ここまで、高校での金融教育の内容や年代別に身につけておきたい知識について見てきましたが、親世代は金融教育を受けておらず、金融教育の大切さはわかっているけど、何から始めたら・・・というお父さんお母さんも多いはず。
七十七銀行では各年代に合った様々な金融教育コンテンツをご用意しています。この機会に親子で一緒に「お金」について学んでみるのもいいですね。
是非チェックしてみてください。

【七十七銀行 関連ページ】

https://www.77bank.co.jp/77_education_kids/index.html https://www.77bank.co.jp/77kids/ https://www.77bank.co.jp/museum/

【参考サイト】

https://www.shiruporuto.jp/education/about/

※この記事は2022年4月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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