ローンカードローン金利とは?金利の仕組みと比較ポイントを徹底解説

カードローンの金利は会社によって違うため、カードローンを選ぶ時に金利を重視する人は少なくありません。しかし、金利を重視する一方で「金利の仕組みは複雑でよくわからない」という思いはありませんか?

本記事では、カードローン金利の基本的な仕組みと金利の決まり方をわかりやすく解説します。金利を比較する時に留意したいポイントもご紹介していきますので、カードローン選びで悩んでいる人や金利の見方がよくわからない人は、参考にしてみてください。

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵(M・Mプランニング 代表)

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵
M・Mプランニング 代表

保育士、営業事務の仕事を経て、ファイナンシャルプランナーに。
独身、子育て世代から定年後の方までお金に関する相談を受けて、16年目になります。
主婦FPとして、等身大の目線でのアドバイスが好評です。
家計・保険・老後、教育資金などの個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っているほか、お金の専門家として、テレビ取材なども受けています。
人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

カードローンの金利が重要な理由

カードローンを比較する際になぜ金利が重要なのでしょうか。

金利が重要な理由は、返済額の増減に直結するからです。金利が高ければ、借りた金額に対する利息額が増えて返済額も増えます。反対に金利が低ければ利息額は少なくなるため、少しでも金利が低いカードローンを契約すれば、返済額を抑えられます。

ところが、カードローン会社の広告を見ると「年◯◯%~◯◯%」となっていて、金利に幅があることがわかります。実際の金利はこの幅の中で審査によって決まるため、人によって適用される貸付金利には違いがあるのです。広告の表面的な情報だけでは、自分にとって高金利か低金利なカードローンかどうかを判断するのは難しいと言えるでしょう。

では、自分にとって有利な借入れができるカードローンを選ぶにはどうすればいいのでしょうか。そのヒントになるのが、カードローン金利の仕組みや決まり方です。基本的な仕組みなどを理解しておけば、自分に適したカードローンを選びやすくなるはずです。これから解説する内容を元に、最適なカードローンを考えてみてください。

【基礎知識】カードローンの金利とは?仕組みを解説

カードローンの金利を比較する前に知っておきたい、基礎知識を解説します。利息はどのように計算されるのかも、あわせて見ていきましょう。

カードローンの金利|利息・実質年率の違い

カードローンの金利とは、借りたお金(元金)に対する利息の割合を「%」で表したものです。1年間にかかる利息の割合を「金利:年◯◯%」などと表すのが一般的です。

<金利の仕組み>

  • 金利:年◯◯%などと表示される、利息の割合のこと。カードローンで借りたお金に対して発生する、手数料の割合を指す
  • 利息:◯◯円と表示される、お金を借りた会社(銀行や消費者金融などカードローンの提供事業者)に支払うお金の利用料のようなもの
  • 実質年率:利息以外の諸費用を含めて計算した、実質上の金利のこと。ほとんどのカードローンは利息以外のカード発行料・維持手数料などが無料になっているため、一般的には実質年率は金利と同じになることが多い

カードローンを始め、多くの借入れには利息という名のお金の利用料が付きものです。金利は、借りたお金に対して借入手数料がいくら発生するのかの割合を表す数値です。

カードローンの金利タイプ|変動金利と固定金利の違い

住宅ローンやあらゆるローン商品には「変動金利型」と「固定金利型」があり、カードローンも例外ではありません。

<金利タイプ>

  • 変動金利:借入れの途中であっても、金利の見直し・変更が行われる可能性がある。金利が上がる可能性もあれば、下がる可能性もある
  • 固定金利:借入時の金利が固定され、借入期間中に金利が変わることはない

変動金利型のカードローンの概要には「金融情勢の変化により金利を見直す場合があります」と記載されています。

これは、借入れした後に金融情勢が著しく変化すれば、適用金利が変わる可能性があるということです。

金利が引き上げられれば返済額も上がるため、返済計画に影響が出る恐れがありますが、反対に金利が引き下げられて返済負担が軽くなることもあるでしょう。いずれにしても、短期間の借入れにすれば金利変動の影響を受けるリスクを抑えられます。

短期間の借入れが難しく、カードローンで長期の借入れを想定している場合は、金利変動に備えて固定金利を選ぶのも一つのリスク対策です。自分の返済計画に適した金利タイプを選びましょう。

カードローンの利息計算|単利と複利の違い

金融商品の利息計算方式には「単利」と「複利」の2通りがあります。カードローンを含め、多くの借入れは基本的に単利方式で計算されています。

<利息の計算方式>

  • 単利:借りたお金(元金)に対してのみ、利息が発生する仕組み
  • 複利:借入れによって発生した利息を借りたお金(元金)に含めて利息が発生する仕組み

<カードローンの基本的な利息の計算式>

  • 借りたお金(元金)×金利÷365日×借入日数=利息(円)

カードローンの計算式を見ればわかるとおり、計算の元になっているのは「借りたお金(元金)」であり、カードローンは単利計算であることがわかります。ここで、実際にいくら利息がかかるのか計算してみましょう。

<計算の例>

借りるお金が100万円で金利が年14%、5月1日に借りたお金を6月30日までに返済する場合

  • 借りたお金(元金100万円)×金利(14%)÷365日×借入日数(61日)=利息は約2万3,397円

※うるう年は366日で計算する。なお会社によってはうるう年に関係なく、365日で計算するところもある

よく「カードローンは複利計算だから利息がどんどん増えていく」と勘違いされることがありますが、カードローンは原則単利計算です。

借入れの負担が重くなるのは、他のローンに比べて金利が高めの設定になっていること、借入日数が長くなることで元金が減りにくいことが要因でしょう。特に返済方法を定額のリボルビング払いにしていると、借入れが長期化しやすいです。リボルビング払いの利用は計画的に行いましょう。

また、カードローンの利息は、会社によって端数の処理方法などが違う可能性があります。借入日数の起算日の処理も異なるため、会社ごとの利息計算式をよく確認することが大切です。

【監修者コメント】

カードローンを利用する場合は、少しでも安い金利、そして借入期間を短くするということを頭にいれておきましょう。

カードローンの借入金利(適用金利)はどう決まる?金利の決まり方を解説

カードローンの金利は「利息制限法」や「出資法」という法律によって上限が定められていて、借入金額によって年15.0%~年20.0%までとなっています。この上限の範囲内で、各社はカードローンの金利を設定し、さらに審査をすることによって実際の借入金利を決めています。金利がどのように決まるのか、決まるまでの流れと決まる要素を見ていきましょう。

カードローンで金利が決まる流れ

実際の借入金利は、以下の流れで決まります。

  1. カードローンの利用を希望する人(お金を借りたい人)の希望額や個人信用情報、その他の条件などを元に審査が行われる
  2. 審査の結果、カードローンの利用限度額が決まる
  3. 審査で決まった利用限度額・所定の条件などを元に、最終的な借入金利が決まる

たとえば七十七銀行のカードローン「77カードローン」の基準金利は、2023年3月時点で年11.0%です。しかし実際には、カードローンを利用する人の取引状況によって金利を引き下げる優遇措置をとっており、同行の住宅ローン利用者であれば借入金利は年4.8%になります。このように、実際に借りる時の金利は複数の要素によって決まります。ここからは、金利を決める主な要素を見ていきましょう。

金利を決める要素1.カード発行会社の業種

一般的に、カードローンを提供している会社は「銀行系」と「消費者金融系」に分けられ、会社の業種によってカードローンの設定金利の相場は違います。

<カードローン設定金利の相場>

  • 銀行系カードローン:設定金利は年1%台後半~年15%程度
  • 消費者金融系カードローン:設定金利は年3%~年18%程度

七十七銀行の扱う「七十七銀行カードローン 77スマートネクスト」の金利も、年1.5%~年14.8%の幅で設定されています。実際の借入金利は審査で決まるものの、借入金利が上限金利を超えることはありません。上限金利だけを比較する場合は、銀行系カードローンのほうが低金利と言えるでしょう。ただし、消費者金融系カードローンには別のメリットがあるため、双方のメリット・デメリットを理解したうえで選ぶことが大切です。

【どっちがいい?】金利が低い銀行系と無利息キャンペーンのある消費者金融系

上限金利だけを比較すれば、銀行系カードローンのほうが低金利と言えます。しかし、消費者金融系のカードローンは金利が高い分、銀行に比べて審査スピードが早いというメリットがあります。また、初回の借入れであれば一定期間は無利息になるキャンペーンを実施している会社もあるため、「早く借りて早く返したい人」であれば、消費者金融系で無利息の間に返済するという方法もあるでしょう。

銀行系カードローンは審査に時間はかかるものの、あらかじめカードさえ発行しておけば、いざというときに低金利で借入れできます。カードローンは維持手数料がかからないため、長期的に借入れを利用したい人は、万が一に備えて銀行系カードローンを発行しておくという方法もあります

金利を決める要素2.利用限度額

上述したとおり、カードローンの金利は法律で定められていて、借りたお金の金額に応じて上限金利が設定されています。この定めよりも高額な金利を設定している貸付は違法です。

<法律で定められている上限金利>

  • 借りたお金(元金)が10万円以下:金利の上限は年20%
  • 借りたお金(元金)が10万円~100万円未満:金利の上限は年18%
  • 借りたお金(元金)が100万円以上:金利の上限は年15%

※上記は、法律が改正された2010年6月18日以降の貸付契約に関する上限金利

多くのカードローン会社はこの上限金利を元に、利用限度額に応じた借入金利を段階的に設定しています。そのため、一般的には審査で決定したカードローンの利用限度額が大きくなるほど借入金利は低くなり、利用限度額が小さくなれば借入金利は高くなります

なお、「利用限度額」とは、契約しているカードローンで「いくらまで借りられるのか」ということです。カードローン利用者は、この利用限度額の範囲内で所定の金額を自由に借入れできます。

金利を決める要素3.取引状況や申込要件など会社所定の条件

カードローンの会社によっては、所定の条件によって金利を引き下げる措置をとっています。また、ここでは、金利が低くなる条件の一例を紹介しましょう。

<金利が低くなる条件の一例>

  • 取引状況による優遇金利:カードの会社やグループ会社が提供しているサービスの契約状況などに応じて借入金利を引き下げる措置。銀行系の場合、住宅ローンの利用や定期預金の預け入れ状況といった所定の条件を満たす顧客に優遇金利を設定していることがある
  • 申込要件による低金利設定:カードローン利用者の職業や仕事の勤続年数・営業年数や前年度の年収など、申込要件を厳しく設定することにより利用者を絞り、カードローンの金利を低く設定している
  • 新規借入れキャンペーン:初めてカードローンの契約・借入れをした顧客に対し、一定期間無利息になるキャンペーン。消費者金融系でよく実施されているキャンペーンだが、初回しか利用できない

上記はあくまで一例であり、実際にどのような条件で借入金利が適用されるかは会社によって違います。また、期間限定キャンペーンとして、一時的に金利を引き下げている場合もあるため、今利用できそうなキャンペーンがないかどうかもチェックしておくといいでしょう。

カードローンの金利比較で留意したいポイントまとめ

これまで解説してきた内容を元に、カードローン金利を比較する際に留意したいポイントをまとめました。銀行や消費者金融などで用意されているカードローンの商品概要で、各ポイントを確認してみてください。

1.違法な金利が設定されていないか

まずは、法律で定められている上限金利の範囲内かどうかを確認しましょう。

カードローンの貸付金利で年20%を超えるものは違法です。違法な金利が設定されていないかどうかは、必ず確認してください。

2.カードローンの金利タイプや利息計算方法はどうなっているか

会社によって、金利タイプや計算方法が異なる可能性があります。以下のポイントをふまえて確認してください。

金利タイプ

変動金利型は金利が途中で変わる可能性があるため、どのような条件で金利が変わるのか確認しましょう。なお金利は必ずしも上がるわけではなく、下がる可能性もあるため変動金利型が不利とは言い切れません。長期の借入れが目的なら、返済計画を立てやすい固定金利型のほうが精神的に安心できる可能性もあります。自分にあった金利タイプを選びましょう。

利息計算方法

各カード会社のサイトで利息をどう計算するのか確認します。実際に借りる予定の金額を計算してみると、かかる利息額などもわかるため実際に返済する際の金額がイメージしやすいでしょう。

3.利用目的に合った金利設定の会社を選ぶ

銀行系と消費者金融系は、それぞれメリット・デメリットが異なります。

銀行系は上限金利が低めに設定されていて、場合によっては優遇金利が適用される点がメリットです。その半面、審査には一定の時間がかかるため「すぐに使えない」点はデメリットでしょう。したがって銀行系は「審査に時間がかかっても低金利にこだわりたい」「借入金額が多く、長期的にカードローンを利用したい」「よく利用する銀行がある」などといった人に適しています

消費者金融系は、銀行系より上限金利が高めに設定されている点がデメリットです。一方で審査は早く、初回だけ無利息キャンペーンを利用できるメリットもあります。「早く借りて早く返したい人」「1回限りの利用」を予定している人であれば、消費者金融系が適しています

借入れの目的にあった金利設定の会社を選ぶといいでしょう。

4.自分にとって有利な条件設定があるかどうか

貸付金利は利用限度額によって決まりますが、その他の面で金利が優遇される可能性があります。独自の条件によって金利を引き下げてくれる会社もあるため、自分にとって好条件な設定があるかどうかを確認しましょう。

よく利用している銀行や金融機関等がある場合は、「優遇金利が適用されるカードローンはあるか」「自分にとって好条件で利用できそうなカードローンはないか」などと聞いてみるのも一つの方法です。

5.ATM利用手数料も要チェック

カードローンはカードの発行・維持手数料がないため金利だけを見てしまいがちです。しかし、意外とかかってしまうATM利用手数料も重要なチェックポイントです。カードローンのお金を引き出したり、返済したりする際にATMを利用する場合は、ATMの利用手数料についても確認しておきましょう。

銀行系カードローンでは、銀行のATMであれば利用時間内に限り利用手数料が無料になっているのが基本です。しかしコンビニなど提携先ATMや利用時間外だと、別途利用手数料がかかる可能性があります。

カードローン会社によってはATMを使わずに借入・返済できる取引手段を用意していることもあります。希望する借入れ・返済手段にあわせて手数料を抑えられる会社を選びましょう

まとめ

カードローンの返済額を左右する金利は、カードローンを選ぶうえで欠かせない比較項目です。しかし、カードローンで実際に借りる際の金利は個々の審査で決まるため、広告に記載されている金利を見るだけでは十分な比較ができません。

金利を比較する時は、当記事で解説した金利の仕組みや比較ポイントに留意したうえで、ご自身の状況・利用ニーズに適したカードローンを選びましょう。七十七銀行でも、取引状況に応じて金利優遇のあるカードローンを提供しています。ご自身に適した優遇条件はないか、チェックしてみてはいかがでしょうか。

【監修者コメント】

カードローンを利用する場合は、なるべく金利の安い金融機関そして、早めの返済が基本です。日々の家計管理をしっかりできるように対策をしましょう。

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※この記事は2023年5月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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