ローンカードローンとは?メリット・デメリットを理解して賢く活用しよう

カードローンと聞くと、なんとなく以下のようなイメージがありませんか?
「キャッシングのように金利が高いので、返済が大変になりそう」
「個人信用情報に傷がついてしまうのでは」

たしかに、カードローンには他のローンに比べて金利が高めなどのデメリットがあります。一方で、カードさえ持っていれば急な事故・病気による入院、家電・自動車の故障に伴う急な出費の資金不足に対応してくれるのは大きな強みです。計画的に利用すれば、ここぞという場面で家計を助けてくれるのではないでしょうか。

本記事では、カードローンの仕組みとメリット・デメリットを詳しく解説します。キャッシングや消費者金融との違い、銀行系カードローンと消費者金融系カードローンの選び方もあわせて説明していきます。カードローンを賢く活用したい人や、興味があるけど利用が不安という人は、参考にしてみてください。

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵(M・Mプランニング 代表)

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵
M・Mプランニング 代表

保育士、営業事務の仕事を経て、ファイナンシャルプランナーに。
独身、子育て世代から定年後の方までお金に関する相談を受けて、16年目になります。
主婦FPとして、等身大の目線でのアドバイスが好評です。
家計・保険・老後、教育資金などの個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っているほか、お金の専門家として、テレビ取材なども受けています。
人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

カードローンとは?

カードローンの仕組みや特徴を解説します。利用すると個人信用情報はどうなるのかも、あわせて見ていきましょう。

カードローンの特徴

カードローンとは、消費者金融(貸金業者)や銀行などの金融機関が提供している個人向けの融資サービスです。

<特徴>

  • 保証人・担保不要
  • 資金使途自由でいつでも借り入れできる
  • 資金使途が限定されているローンと比べて金利は高い

カードローンの特徴はとにかく自由度が高いことです。資金を使う用途が限定されておらず、カードさえ持っていればコンビニのATMなどですぐにお金を引き出せます。そのため、住宅ローンやマイカーローンなど、資金使途が決まっているローンと比べると金利は総じて高めに設定されています。

金利の高さを見て、カードローンを危険視する人もいるでしょう。しかし「緊急事態ですぐにでもまとまったお金が必要」という場面ですぐお金を工面できる点は、場合によっては家計の一助になるかもしれません。カードローンを常用するのではなく、いざというときだけに利用するために家計のお助けアイテムとして持つ方法であれば、返済破綻は防げるのではないでしょうか。

カードローン利用は危険?信用情報との関係

カードローンのカードを持ったり、利用したりするだけで個人の信用情報に傷が付くことはありません。そもそも信用情報に傷がつく状態とは、各種ローンの返済を滞納した場合や、債務整理や自己破産の手続きを行った場合を指します。そのため、カードローンを保有しているだけであれば傷がつくことはないのです。

ただし、カードローンは借入れであり、信用情報の登録対象です。クレジットカードやキャッシングなどと同様に、契約内容や利用履歴の情報はすべて信用情報機関に登録されます。返済が遅れれば、その履歴も登録されることになります。滞納が重なればいずれ傷がつく可能性があるため、余裕をもって返済できるよう節度のある利用が大切です

なお、住宅ローンを借りる際はカードローンの保有が審査に影響することがあります。詳細は「デメリット3.他のローン審査に影響する可能性がある」で解説しているため、あわせて確認してみてください。

カードローンとキャッシング・消費者金融との違い

カードローンとキャッシングは「無担保で自由に使える個人向け融資サービス」という点が共通していて、法的な違いはありません。明確な定義はありませんが、カードローンは銀行や消費者金融が個別のサービスとして提供していることが一般的です。対してキャッシングは、クレジットカード会社がカードに付ける付帯機能として提供していることが一般的です。

他方で消費者金融とは、カードローンやキャッシングといった「個人向け融資サービスを提供している事業者(貸金業者)」のことを指します。それぞれの関係とカードローン・キャッシングの違いは以下のとおりです。

  カードローン キャッシング
サービス提供事業者 銀行または消費者金融(貸金業者) クレジットカード会社
借り入れ・返済方法 主に専用のローンカードを使い銀行やコンビニなどのATMで借り入れ・返済できる。インターネットバンキングなどカードレスで利用できる場合も クレジットカードを使い銀行やコンビニATMで借り入れできる。返済は通常のクレジットカード利用金額とあわせて口座引き落とし
借入限度額
  • 銀行:10万~800万円
  • 消費者金融:100~800万円
  • 10万円~100万円
金利
  • 銀行:年1%台後半~15%
  • 消費者金融:年3%~18%
  • 年15~18%
融資までの時間
  • 銀行:最短で翌営業日~数営業日かかる場合も
  • 消費者金融:最短で即日の事業者が多い
  • クレジットカード発行時に審査しているため、キャッシング付帯機能が付いているカードが手元にあればすぐ使える

※消費者金融がキャッシングローンという商品を取り扱っていることもあるが実質カードローン。ここではキャッシング=クレジットカード付帯機能サービスとして解説しています

カードローンやキャッシングの金利は金融機関によって違いますが、法律で定められている金利の上限はいずれも年20%です。ただし銀行系カードローンは金利上限が年15%前後であることが多く、クレジットカードのキャッシングや消費者金融系カードローンの金利よりもやや低い金利設定になっています。また、カードローンについては、借入額が増えるほど金利設定が低くなり、借入額が少なくなるほど金利設定が高くなるのが一般的です。

さらに、銀行系カードローンと消費者金融系カードローン、銀行系カードローンとキャッシングの比較、選び方を見ていきましょう。

銀行系カードローンか消費者金融系カードローンはどちらがいい?

銀行系・消費者金融系のカードローンの基本的な違いは以下のとおりです。

  • 銀行系カードローン:消費者金融系に比べて金利が低めに設定されている。住宅ローン利用者向け優遇金利など、他の銀行提供サービスとあわせた特別金利が充実している。カード発行までに1営業日~数営業日かかるため消費者金融系よりカードを持つまでの時間が長い
  • 消費者金融系カードローン:銀行系に比べて審査・融資のスピードが早く、最短で即日融資可能となっている。とにかく早く借り入れできるのが特徴。銀行系より金利は高めだが、緊急時に活用しやすい

通常の家計補塡であれば金利が低い銀行系カードローンを利用し、緊急時ですぐにでも借入れが必要なときは消費者金融系が適しています。

あるいは、事前に審査を受けてカードを発行して持っておく方法もあります。あらかじめ銀行系カードローンを作成しておき、緊急時には保有している銀行系カードローンを使えば、金利負担を極力抑えられるでしょう。

銀行系カードローンの場合、取引状況に応じた優遇金利を用意していることが多々あります。七十七銀行でも住宅ローン利用者への優遇プランを設けているため、より経済的にカードローンを活用できます。カードローン利用時は、自身が普段からよく使う銀行でカードローンの優遇がないかを確認してみるといいでしょう。

銀行系カードローンとクレジットカード付帯のキャッシングはどちらがいい?

銀行系カードローンとクレジットカード付帯キャッシングサービスの基本的な違いは以下のとおりです。

  • 銀行系カードローン:一時的な借り入れが主体のサービス。キャッシングに比べて借入限度額は多く、金利は低めに設定されている
  • クレジットカード付帯キャッシング:日常で使うクレジットカードに付帯している借り入れサービス。あくまで付帯機能のため、借入限度額はカードローンに比べて少なめで、金利は高めに設定されている

クレジットカード付帯キャッシングは、あくまで日常のショッピングに付随している借り入れサービスです。クレジットカードさえ持っていればすぐ利用できるため、「ちょっと現金が足りない」というときにさっと利用できるのがメリットです。また、海外旅行時に現地通貨をキャッシングできるクレジットカードもあります。

一方で、銀行系カードローンは借り入れが主体のサービスです。キャッシングに比べて低金利で借入限度額も多いため、まとまった現金が必要なときに利用できます。カードローンは借入方法・返済方法も多様です。銀行ATMや他行ATM(コンビニ含む)で借入れして、返済はインターネットバンキングや、口座振替なども選べるようになっています。

カードローンの場合、借入額が大きくなるほど金利が低くなり、キャッシングと比べた利息負担の差が大きくなります。したがって、数万円程度の利用ならキャッシング、10万円以上のまとまった金額を借りるときは銀行系カードローンがおすすめです。カードローンは持っているだけならお金がかからないため、いざという時に備えて発行しておくといいでしょう。

カードローンのメリットは圧倒的な使いやすさ

ここで改めて、カードローンのメリットを見ていきましょう。

メリット1.保証や担保なしで比較的早く借り入れできる

カードローンは保証人・担保設定が不要のため、審査・融資スピードが他のローンに比べて早いのが特徴です。困ったときにすぐ借入れできるので、いざというときに素早く活用できる点が大きなメリットです。金融機関によっては、Web上で申込みから審査、融資(振込)までを一貫して行っていて、カードなしの借入れも可能です。消費者金融系カードローンであれば即日融資に対応しているところが多いため、緊急時に活用しやすいでしょう。

メリット2.借り入れや返済タイミング、使い道が自由

融資の枠内であれば、いつでも繰り返し借りることができ、いつでも気軽に返済できます。使い道は自由で、事業性資金以外であれば旅行でも冠婚葬祭の出費でも自由に使うことができます。

カードさえ持っていれば、好きなタイミングで引き出せて返済できるため、家計が困ったときに活用しやすいのもメリットです。返済方法はATM返済から口座振替まで多様に用意されているため、返済忘れを防げるのもポイントです。

メリット3.維持コストが一切かからない

カードローンには、クレジットカードのような入会金・年会費という制度がありません

そのため、借り入れはせずにカードだけを発行して、万が一に備えて無料で保有しておくことが可能です。カードローンを保有して借り入れはしない状態であれば、一切費用はかかりません。借り入れタイミングは自由なので、カードだけ持っておき、いざというときの家計トラブルに備えるという使い方もできます。

カードローンのデメリットは簡単に借り入れできてしまうこと

カードローンのメリットは、使いやすく借りやすいことです。

ただし、「簡単に借りられる」ことにはそれなりのデメリットもあります。デメリットと対策について見ていきましょう。

デメリット1.他のローンに比べて金利が高め

住宅ローンやカーローンのように資金使途が限定されるローンに比べると、カードローンの金利上限は年20%。無担保で資金使途自由のため、金利設定はどうしても高くなります。

金利設定は金融機関によっても変わってくるため、できる限り金利を抑えられる金融機関を選ぶことが大切です。先述のとおり、銀行系カードローンは総じて消費者金融系よりも金利設定が低くなっています。また、銀行によっては他の銀行サービスと組み合わせた優遇金利を提供していることがあるため、上手に活用しましょう。

たとえば、七十七銀行では住宅ローン利用者だけの特別金利として年4.8%の「77カードローン」を用意しています。このように、ご自身が利用できそうな優遇サービスをチェックしてみてください。

デメリット2.借り入れが癖になってしまう可能性がある

カードローンは他のローンに比べて素早く簡単に借り入れできるのがメリットです。そのため、ついつい借りすぎてしまい「借り癖」がつく可能性があるのは、メリットの裏にあるデメリットと言えます。

これはキャッシング付きクレジットカードにも言えることですが、カードを提示するだけでお金を引き出せるため、感覚が麻痺してしまう人もいるでしょう。しかし、カードローンは金利が高いため、過度な借り入れによって返済が破綻してしまう恐れがあります

カードローンによる過度な借り入れを防ぐためには、普段の家計そのものを改善しなければなりません。ファイナンシャル・プランナーなどの第三者に家計の収支を見てもらい、家計の見直しをすることが大切です。カードローンは決して常用せず、家計における一時的な出費を補てんするために利用してください

デメリット3.他のローン審査に影響する可能性がある

先述のとおり、カードローンを保有しているだけでは信用情報に傷がつくことはありません。

しかし、住宅ローンやカーローンなど他のローン審査において、カードローンの保有が審査に影響する可能はあります。たとえば、カードローンの総借入金額が多い人です。この場合、カードローンの借入金額とあわせた住宅ローンの借入金額が、銀行の定める返済比率を超えていて、審査に通らなくなってしまうことがあります。

もちろん、住宅ローンの審査条件は銀行によって異なるため、一概には言えません。また、カードローンの総借入金額や借り入れする人の年収によっても変わってくるでしょう。心配がある人は、住宅ローンを借り入れする予定の銀行で審査の条件や返済比率について確認してみるといいでしょう

カードローンのよくある質問

ここでは、カードローンについてよくある質問を詳しく解説しています。

カードローンを複数の会社で申込みしても大丈夫?

カードローンを複数の会社で申込むことはできますが、複数枚の保有はおすすめできません。

カードローンの審査はカードを発行している金融期間の判断によって変わります。審査に通れば、複数枚保有して同時に利用することもできるでしょう。しかしカードローンが複数枚あると、「今どのカードでいくら借りていて、いつ返済が必要なのか」といった返済管理がしづらくなります

これはカードローンだけではなく、クレジットカードの保有にも言えることです。カードローンもクレジットカードも便利なカードですが、借り入れである以上返済期日は必ず守らなければなりません。複数枚あることでつい使いすぎてしまい、返済期日を守れなければその情報は信用情報に登録されます。延滞が重なれば、いずれは信用情報に傷が付いてしまう可能性もあるでしょう。安定した返済と信用情報をクリーンに守るためにも、所有枚数は1枚にすることをおすすめします

銀行系カードローンは学生や主婦、派遣社員でも借り入れできる?

審査の基準は銀行によって異なるため一概には言えませんが、一般的に銀行系カードローンは「20歳以上で自身もしくは配偶者に安定した収入がある人」を条件にしています。

  • 20歳以下の学生:アルバイト収入のみだと銀行系カードローンは難しい可能性がある
  • 主婦・主夫:20歳以上で配偶者に安定した収入があれば、申込みできることが多い
  • 派遣社員:安定した年収が一定期間以上維持できていれば、申込みできることが多い

上記のとおり、20歳以下でアルバイト収入のみの学生は収入が不安定のため、銀行系カードローンの発行は難しいです。消費者金融系カードローンであれば、学生でも作れる可能性はあります。しかし、収入が不安定な学生がカードローンやキャッシングで借り入れすることはおすすめしません。カードローンは、社会人が家計のトラブルを一時的に解消するための臨時策として活用しましょう。

一方で、主婦・主夫や派遣社員は、銀行の条件さえ合えば申込みできる可能性があります。銀行側の条件をよく確認し、申し込んでみましょう。

カードローンの返済ってどうする?ATM以外でもできるの?

カードローンの一般的な返済方法は、ATM、口座振替、インターネットバンキングによる返済、振込による返済があります。

カードを発行する金融機関によって返済方法は違いますが、ATM以外の返済方法に対応しているところがほとんどです。たとえば、七十七銀行では銀行窓口に自行ATM、コンビニなどの提携ATMで返済できるほか、ダイレクトサービスでの返済も可能です。ダイレクトサービスは専用のアプリをインストールして行えるため、店頭やATMに行くことなく自身の口座からアプリ上で返済できます。

インターネット上で返済できる方法であれば、仕事が忙しく店頭やATMに行けない人でもお金が入ったときにすぐ返済できます。カードローンの利用を考えている人は、こうした「返済方法の多様さ」「アプリ連携による使いやすさ」も検討ポイントに加えてみてください。

まとめ

カードローンは金利が高い半面、無担保で使い道が自由というメリットがあります。突発的な事故や病気、冠婚葬祭、トラブルに巻き込まれたときの臨時出費など、いざというときに素早く現金を用意できるため、うまく活用すれば家計の一助になるアイテムです。

カードローンには、消費者金融系と銀行系のカードローンがあります。審査・融資のスピード重視であれば消費者金融が、優遇金利など金利の低さ重視であれば銀行系が適しています。ただし、カードローンは簡単に借り入れできてしまう半面、使いすぎてしまう危険性も。カードローンは普段から常用するのではなく、あくまで家計が緊急事態のときだけ一時的に活用し、計画的に返済するようにしてください。

おすすめの利用方法は、いざというときに備えて低金利の銀行系カードローンを申し込んでおき、手元に一枚保有しておくことです。カードローンには維持コストがかからないため、持っているだけであればお金はかかりません。緊急時の出費に備えて、カードローンの保有を検討してみてはいかがでしょうか。

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※この記事は2023年3月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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