ローンマイカーローンへ借り換える方法とは?手続きの流れや必要書類を解説

「ディーラーローンを組んで車を購入したものの、実際に返済が始まると負担が重い」という人は、マイカーローンへの借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

金利が低いマイカーローンに借り換えて、毎月の返済額を下げることができれば、生活にゆとりが生まれる可能性があります。一方で、手続きの際に手間や時間、諸費用がかかることがあるため、ご自身にとってメリットがあることを確認したうえで借り換えることが重要です。

この記事では、マイカーローンへ借り換えるメリットやデメリット、借り換え先を選ぶポイントなどをわかりやすく解説します。

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵(M・Mプランニング 代表)

ファイナンシャルプランナー 宮里 恵
M・Mプランニング 代表

保育士、営業事務の仕事を経て、ファイナンシャルプランナーに。
独身、子育て世代から定年後の方までお金に関する相談を受けて、16年目になります。
主婦FPとして、等身大の目線でのアドバイスが好評です。
家計・保険・老後、教育資金などの個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っているほか、お金の専門家として、テレビ取材なども受けています。
人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

マイカーローンに借り換えるメリット・デメリット

車を購入するときのローンには「ディーラーローン」と「マイカーローン」があります。

ディーラーローンは、車の販売店が契約する信販会社やクレジットカード会社などが取り扱うローンです。「審査の期間が短い」「車両価格の割引を受けられることがある」といったメリットがある一方で、金利は高い傾向にあります。

マイカーローンは、銀行や信用金庫などが取り扱うローンです。ディーラーローンよりも金利が低い傾向にありますが、借入時の審査はやや厳しいといわれています。

まずは、マイカーローンに借り換えるメリットとデメリットをみていきましょう。

なお、ディーラーローンとマイカーローンの違いは、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
https://www.77bank.co.jp/financial-column/article04.html

借り換えるメリット

マイカーローンに借り換える主なメリットは、以下の2点です。

  • 返済負担を抑えられる可能性がある
  • 車の所有権を持てることがある

金利が低いマイカーローンに借り換えることで、利息負担が少なくなり毎月の返済額や返済総額を減らせる可能性があります。

たとえば、車の購入時に借入額が300万円であるディーラーローンを組んだとしましょう。金利は年5%、返済期間は4年、ボーナス併用払いなし、返済方法は毎月一定額を返済する元利均等方式とします。

返済開始から1年が経ち借入残高が約230万円となった時点で、金利1.6%のマイカーローンに借り換えると、残り3年間の返済額と返済総額は以下のとおりです。

  ディーラーローン マイカーローン
金利 年5% 年1.6%(−3.4%)
毎月の返済額 69,087円 65,477円(−3,610円)
残りの返済総額 2,487,132円 2,357,172円(−129,960円)
※カッコ内はディーラーローンとマイカーローンの差

このように、低金利のマイカーローンに借り換えることで、毎月の返済額は3,610円、返済総額は約13万円軽減できました。また、手持ち資金に余裕があるときは、繰り上げ返済をすると返済負担のさらなる軽減も可能です。

車の所有者が購入した本人となる点も、マイカーローンに借り換えるメリットです。

ディーラーローンを組んだ場合、車の所有者はディーラーやローン会社となっています。銀行が取り扱うマイカーローンに借り換えることができれば、車を自分名義に変更できます。

借り換えるデメリット

一方でマイカーローンの借り換えには、以下のデメリットがあります。

  • 手続きに手間や時間がかかる
  • 実際にはあまりお得にならないことも

マイカーローンに借り換えるときは、金融機関に申し込みをして審査を受けなければなりません。審査期間は、1〜3営業日程度が目安です。

源泉徴収票をはじめとした収入を証明する書類や、ローン残高がわかる書類なども集める必要があるため、手間や時間がかかりやすいです。

借り換えの際には、ローンの契約書に貼付する収入印紙代や、一括返済手数料、保証会社に支払う保証料などの諸費用がかかる場合があります。そのため、金利が低いマイカーローンに借り換えても、諸費用を考慮するとあまりメリットがないこともあります。

残価設定型クレジットの契約期間中にマイカーローンに借り換えると、毎月の返済額が増えることがある点にも注意が必要です。

残価設定型クレジットは、3年や5年などが経過した後の車の価値(残価)を、車両価格から差し引いた残りを分割して支払っていきます。

契約期間中にマイカーローンに借り換える場合、残価分も含めて借り入れをする必要があるため、毎月の返済額が増えやすいです。

マイカーローンに借り換えるタイミング

では、どのタイミングでマイカーローンに借り換えるとよいのでしょうか。借り換えを検討するタイミングの例は、以下の3つです。

  • 収入が増えた
  • ライフスタイルに変化があった
  • 残価設定型クレジットの契約終了後も車に乗り続けたい など

収入が増えた

マイカーローンを借り換えるときは、金融機関の審査を通過しなければなりません。収入が多い人ほど審査に通りやすく、また借入金利は低くなる傾向にあります。

昇進や転職などで車を購入した当初よりも年収がアップした場合は、金利が低いマイカーローンに借り換えられる可能性があります。高い金利のローンを組んでおり購入当初よりも年収が増えた人は、マイカーローンへの借り換えでメリットを得られやすいでしょう。

ライフスタイルに変化があった

ライフスタイルに変化があり、ローンの返済が負担に感じるようになったときも、マイカーローンへ借り換える代表的なタイミングです。

「子どもが成長して教育費がかかるようになった」「結婚を機にパートナーが退職した」などの理由で毎月の支出が増えた方は、借り換えをして返済負担を減らすと家計を楽にできるでしょう。

残価設定型クレジットの契約終了後も車に乗り続けたい

残価設定型クレジットの契約が終了したときは「車を返却する」「別の車に乗り換える」「残価を支払って車を買い取る」のいずれかを選択をします。

契約終了後に車を買い取るとき、マイカーローンに借り換えると残価分を分割で返済していくことが可能です。

「契約期間が終わったら車を手放そうと考えていたけど、やっぱり乗り続けたい」と考えている方は、マイカーローンへの借り換えを検討するとよいでしょう。

マイカーローンを借り換える方法

マイカーローンに借り換えるときは、どのように手続きをすればよいのでしょうか。ここでは、借り換えの一般的な流れや必要書類、諸費用をみていきましょう。

マイカーローン借り換えの流れ

マイカーローンに借り換える一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 借り換えの申し込み
  2. 金融機関による審査
  3. 審査結果のお知らせ
  4. 契約手続き
  5. 契約完了・融資実行

マイカーローンの借り換えは、店頭またはWeb上で申し込めるのが一般的です。借り換えを申し込めるのは、年齢や年収、勤続年数など金融機関の定める要件に該当した人であり、借り換え先の銀行や信用金庫の普通預金口座を開設する必要もあります。マイカーローンを借り換える際は、金融機関のホームページなどで流れや諸条件を確認しましょう。

またマイカーローンは、保証人が不要である代わりに保証会社による保証を受けるのが一般的です。そのため、申込先である銀行や信用金庫だけでなく保証会社でも、借り換えを申し込んだ人の年収や勤続年数、ほかの借り入れ状況が審査されます。

借り換えに必要な書類

マイカーローンの借り換えの際に必要となる書類の例は、以下のとおりです。

  • 顔写真付の本人確認書類(運転免許証・パスポート・個人番号カードなど)
  • 健康保険証
  • 所得が確認できる書類(源泉徴収票や市町村発行の課税証明など)
  • 資金の使途が確認できる書類(利用中の自動車ローンの返済明細表など)
  • 借り換え額がわかる書類(残高一括お支払明細書など)
  • 銀行の届出印
  • 車検証の写し など

借り換えの際には複数の書類が必要となります。また、金融機関によって提出を求められる書類が異なるため、計画的に準備をしておきましょう。

借り換え時の諸費用

マイカーローンの借り換えの際にかかる諸費用の例は、以下のとおりです。

  • 収入印紙代:新しいローンの契約書に貼付する収入印紙の費用
  • 一括返済手数料:現在借り入れているローンを一括返済するときの手数料
  • 事務手数料(取扱手数料):借り換え先の金融機関に支払う手数料
  • 保証料:保証会社に支払う手数料
  • 振込手数料:ローンを振り込む際の手数料

収入印紙代は、融資金額に応じて決まります。融資金額が10万円以下の場合は200円、10万円超50万円以下の場合400円、50万円超100万円以下の場合1,000円、100万円超500万円以下の場合2,000円です。

収入印紙は、契約手続きをするまでにあらかじめ郵便局や法務局などで購入しておきましょう。ただし、Webで借り換えを申し込むと、収入印紙代が不要となる場合があります。

一括返済手数料や事務手数料、保証料、振込手数料は、支払いの有無や金額が金融機関ごとに異なります。

一括返済手数料はローンを返済中の金融機関またはディーラーに、事務手数料や保証料や借り換えを検討している金融機関にそれぞれ確認しましょう。

借り換え先のマイカーローンを選ぶポイント

ここでは、借り換え先のマイカーローンを選ぶポイントをみていきましょう。

ローンの金利

ローンの金利によって、毎月の返済額や返済総額が変わります。借り換え先を検討する際は、返済中のローンよりも金利が低いかどうかを確認しましょう。

マイカーローンの金利は「2.1%〜3.9%」のように、下限と上限が表記されているのが一般的です。借入時の金利は審査によって決まるため、下限金利が適用されるとは限りません。そのため、上限金利も比較して借り換え先を選ぶことが大切です。

また、金利の種類も慎重に選びましょう。マイカーローンの金利タイプは「固定金利」と「変動金利」の2種類です。
変動金利は、借入時の金利が固定金利よりも低い傾向にありますが、市場の動向などで返済途中で金利が上昇し、返済負担が増えてしまうリスクがあります。

完済まで金利が上昇する心配がない固定金利と、変動金利のどちらが一概に良いとは言えません。それぞれの特徴を理解したうえで、ご自身の考えももとに金利タイプを選びましょう。

毎月の返済額・返済総額

金利が低いマイカーローンに借り換えたとしても、返済負担を下げられるとは限りません。マイカーローンの利息額は、金利だけでなくローン残高や返済期間によっても変わるためです。

たとえば、ローン残高が少ないと金利が低いマイカーローンに借り換えても、返済負担があまり下がらないことがあります。返済期間を短くすると、返済総額に占める利息を減らせる一方で毎月の返済負担は増えることがあります。

借り換え先を選ぶときは、毎月の返済額や返済総額が下がるかどうかのシミュレーションが大切です。全国銀行協会では借り換えシミュレーション、七十七銀行のホームページではローン返済のシミュレーションができるため、活用してみてください。

全国銀行協会 ローン借り換えシミュレーション
https://www.zenginkyo.or.jp/article/simulation/loan-change/

七十七銀行 ローン返済シミュレーション
https://www.77bank.co.jp/personal/loan/simuration/

手数料

金融機関によって、借り換え時の諸費用は異なります。たとえば、借り換え時に数千円ほどの事務手数料が必要な金融機関もあれば、無料である金融機関もあります。

また、借り換え後に繰り上げ返済するとき、手数料がかかるかどうかも確認しておきましょう。積極的に繰り上げ返済をしていきたいのであれば、繰り上げ返済の手数料がかからない金融機関に借り換えることをおすすめします。

保証料の支払い方法

保証料の支払い方法は、一般的には以下のいずれかです。

  • 借り換え時に一括で支払う
  • ローン金利に上乗せして分割で支払う
  • ローンの金利に含まれる

ホームページや店頭などで表示されている金利に、保証料を含んでいる金融機関もあれば含んでいない金融機関もあります。

たとえローンが低金利でも、保証料が別であると実質的な負担は重くなってしまうでしょう。借り換え先を選ぶ際は、表示金利に保証料が含まれているかの確認が大切です。

一方で、借り換え先の金融機関が保証料を負担してくれる場合があります。七十七銀行においても、保証料は七十七銀行が負担しますので、お客さまがお支払いいただく必要はありません。

来店の必要性

金融機関の中には、Web上でマイカーローンの借り換えを申し込めることがあります。仕事や家事、育児などで忙しく、店舗に出向く時間を確保するのが難しい人は、Web上で借り換えを申し込める金融機関を選ぶのも選択肢の1つです。

ただし、Web上で申し込みができたとしても、審査に通過し借り換えの契約を結ぶときは来店が必要なケースがあります。また、所定の年齢に達していない人は、Web申し込みができないこともあるため、借り換え先を選ぶときによく確認しましょう。

マイカーローンを借り換えできないケース

自分自身にとって最適なマイカーローンを見つけても、借り換えができないことがあります。ここでは、マイカーローンの借り換え審査に落ちてしまうケースや、そもそも借り換えを申し込めないケースをご紹介します。

返済を延滞した記録がある

ローンの返済を滞納した履歴があると、金融機関から信用できない人であると判断されて、マイカーローンの借り換え審査に通過できないことがあります。携帯電話料金やクレジットカード、公共料金などの支払いを長期間にわたって遅れたことがある人も同様です。

個人のローンの申し込み状況やクレジットカードの利用状況などは、個人信用情報機関に登録されています。ローンの審査をするときに、金融機関は個人信用情報機関に照会し、申し込んだ人の信用情報を確認します。

ローンの借り換えを検討しているのであれば、すでに組んでいるローンの返済や公共料金などの支払いを滞納しないようにすることが大切です。

ローンの残存返済期間が1年未満

ローンの残りの返済期間(残存返済期間)が1年未満であると、マイカーローンに借り換えができないことがあります。

金融機関は、マイカーローンの借入期間に制限を設けているのが一般的です。残存返済期間が1年未満であると、借入期間を1年〜10年以上かつ契約中のローンの残存返済期間以内としている金融機関のマイカーローンに借り換えできません。

ただし、残価設定型クレジットについては既存の返済期間よりも長くできる場合があります。

契約によって借り換えが禁止されている

マイカーローンは、車の所有者でなければ原則として利用できません。車の所有者がディーラーやローン会社などであるディーラーローンの中には、借り換え自体ができないことがあります。

また、ディーラーローンの返済途中に銀行のマイカーローンに借り換えると、違約金が発生するケースもあります。借り換えを申し込む前に、返済中であるローンの契約内容をよく確認しましょう。

転職した直後・年収が低下した

マイカーローンは「年収200万円以上」「勤続年数1年以上」といった金融機関ごとに定められた要件を満たさないと借り入れができません。そのため、転職をして間もない人や年収が下がってしまった人は、借り換えができない可能性があります。

一方で、申し込み要件を満たしていなくても融資してもらえるケースもあるため、借り換えを検討している方は金融機関の店頭やコールセンターなどに問い合わせてみるとよいでしょう。

まとめ

返済中のローンよりも金利が低いマイカーローンに借り換えると、毎月の返済額や返済総額を減らせることがあります。返済負担が重いと悩んでいる人や、少しでも家計を楽にしたい人は、マイカーローンへの借り換えを検討することをおすすめします。

七十七銀行のマイカーローンは、店頭だけでなくWebでもお申し込みが可能です。また、Webから借り換えを申し込むと金利がお得になります。

返済負担を下げたいと考えている方は、七十七銀行のマイカーローンをぜひご検討ください。

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※この記事は2022年7月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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